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大腸ポリープ切除(日帰り手術)

大腸ポリープは何ミリから危険?大腸がんになる確率は?

大腸ポリープは何ミリから危険?大腸がんになる確率は?

大腸ポリープの一部は、放置しているとがん化することがあります。またほとんどの大腸がんは、大腸ポリープががん化したものとなります。
特に10mm以上の大腸ポリープについては、10~30%ががん化すると言われています。ただし、それ以下の大きさのポリープについてもがん化するおそれがあるため、大腸カメラ検査で発見したポリープは基本的にその場で切除します。
大腸ポリープの段階で切除することは、大腸がんの予防に直結します。当院でも、日帰りでの大腸ポリープ切除を行っています。

大腸ポリープとは

大腸の粘膜がイボのように膨らんだものを総じて「大腸ポリープ」と呼びます。
多くが良性である胃ポリープなどと比べて、がん化のリスクが高いと言われています。一般に、40歳頃から大腸ポリープが発生しやすくなります。ただし、ポリープのみではほとんど無症状であり、早期発見・切除のためには、定期的な大腸カメラ検査が大切になります。

大腸ポリープ種類

大腸ポリープは、大きく以下のように分類されます。

腺腫性ポリープ

大腸ポリープの中で、もっとも多いタイプです。
大腸がんのほとんどは、腫瘍性ポリープが大きくなって発生することが分かっています。特に10mm以上になると、がん化のリスクが高くなります。

非腫瘍性ポリープ

過形成性ポリープ

多くは5mm以下で、直腸やS状結腸に好発します。
良性のポリープであり、可能性は低いものの、がん化することがあります。特に、盲腸・上行結腸・横行結腸にできる5mm以上の過形成性ポリープは、がん化のリスクが高くなります。

炎症性ポリープ

炎症に続いて発生するポリープで、がん化のリスクはほとんどありません。炎症後、粘膜が再生する際に増殖した細胞が集まり、ポリープが形成されます。

過誤腫性ポリープ(若年性ポリープ)

子どもにできるポリープとしてはもっとも多くなります。直腸、S状結腸に好発します。
良性ではありますが、稀にがん化します。大きくなると自然に脱落し、出血を起こすことがあります。

自覚症状ある?なりやすい人の特徴

自覚症状ある?なりやすい人の特徴

大腸ポリープのほとんどは、自覚症状が認められません。
肛門近くにできたポリープで出血を起こした場合には血便、便潜血検査陽性が出ることがありますが、基本的には無症状であるとお考えください。
また以下のような人は、そうでない人と比べると大腸ポリープが発生しやすいと言えます。

  • 40歳以上の人
  • 家族に大腸がん、大腸ポリープの既往がある人
  • 運動不足の人
  • 肥満体質の人
  • 糖尿病のある人
  • 食生活が乱れている人
  • 喫煙習慣のある人
  • 直近の5年で大腸カメラ検査を受けていない人

大腸ポリープは遺伝?主な原因

大腸ポリープの原因には、以下のようなものがあります。

食事・生活習慣

高カロリー食、加工肉・赤身肉の摂り過ぎ、飲み過ぎ、喫煙、運動不足、肥満など、食事や生活習慣の乱れが原因の1つとなります。

遺伝的要因

大腸がんや大腸ポリープの家族歴がある人は、そうでない人よりも大腸ポリープができる可能性が高くなります。
若い頃から大腸ポリープが多発し、100個以上に増える家族性大腸腺腫症という稀な病気も存在します。この場合、大腸がんのリスクはかなり高くなります。

大腸ポリープの検査

大腸ポリープの検査としては、便潜血検査と、大腸カメラ検査があります。
便潜血検査では、便中の血液の有無を調べます。目に見えない微量の血液でも検出できますが、出血があるから大腸ポリープがある、あるいは出血がないから大腸ポリープがないと言い切ることはできません。
もっとも確実な検査が、大腸カメラ検査となります。内視鏡を通じて大腸粘膜を仔細に観察し、ポリープの有無を調べます。リスクの高い人は毎年、そうでない場合も2年に1度は、大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。
また便潜血検査で陽性だった場合には、必ず精密検査として大腸カメラ検査を受けるようにしてください。

大腸カメラ検査の詳細はこちらへ

大腸ポリープ切除・治療法

大腸ポリープ切除には、以下のような術式があります。ポリープの状態などに応じて、適切な術式を選択します。
当院では、大腸カメラ検査で発見したポリープをその場で切除することが可能です。これにより、検査と切除を別々に受ける必要がありません。事前の食事制限、下剤の服用、鎮静剤の使用・事後の運転制限がいずれも1回きりで済むため、患者様のご負担も軽くなります。

ポリペクトミー

内視鏡の先端からスネアというワイヤーを出し、ポリープに引っ掛け、高周波電流を流して焼き切る方法です。
電流により、切除と同時に止血ができます。
術後の炎症や穿孔には十分に注意しなければなりません。

コールドポリペクトミー

ポリペクトミーと同じようにスネアを引っ掛け、締め付けることで切除する方法です。切除の際に出血がありますが、すぐに内視鏡で止血処置を行います。
ポリペクトミーと比べると、術後の穿孔などの合併症のリスクが少なくなります。

内視鏡的粘膜切除術

スネアを引っ掛けられる隆起がないポリープに適しています。粘膜下層に生理食塩水を注入し、ポリープを持ち上げ、スネアを引っ掛けて高周波電流を流して焼き切ります。
生理食塩水を注入しているため、穿孔などの合併症のリスクは少なくなります。

大腸ポリープ切除後の注意点や合併症予防

日帰りの、内視鏡による低侵襲の治療ではありますが、術後の合併症には十分に注意しなければなりません。
合併症を予防するためにも、以下のような制限が必要になります。

飲酒・アルコール

1週間はアルコールをお控えください。アルコールを飲むと血行が良くなり、出血を起こすことがあります。

食事

切除後、当日中の食事はうどんやお粥などの消化の良いもので済ませてください。また1週間ほど、辛い物などの刺激物、脂っこいもの、食物繊維が多いものはできる限りお控えください。

入浴

当日からシャワーは可能です。お湯に浸かる入浴は翌日から再開してください。また1週間ほどは、長風呂、サウナなどはお控えください。

仕事や家事、長時間の移動

身体を使う仕事や家事、腹圧がかかるような行為は1週間ほどお控えください。デスクワーク、軽めの家事であれば翌日から再開できます。
旅行・出張・長距離運転・飛行機移動についても、同様に1週間ほどお控えいただきます。腹圧がかかるとで出血や穿孔を起こすと、遠方ではすぐに適切な処置が受けられないことがあるためです。

腹痛・血便・発熱がある場合はご連絡ください

腹痛、血便、発熱があった場合には、すぐに当院にご連絡ください。
当院が休診である場合には、夜間・休日診療をしている近隣の病院を受診してください。

大腸ポリープ切除の費用

内容 費用(3割負担の場合)
大腸カメラ検査 (薬剤料含む、検査のみ) 約6,000円
大腸カメラ検査 (薬剤料含む、検査+生検) 約10,000~18,000円
大腸ポリープ切除 (薬剤料含む) 約25,000~31,000円

検査のみの場合 採血や処方へ別途料金がかかります。
(近日中の健康診断や他院の採血結果は参考にさせていただきますので持参ください。)
ポリープ切除した場合 短期滞在手術基本料1が加算されます。
※1割負担の場合は、上記費用の1/3が目安となります。
※使用する薬剤などにより、金額の多少の変動があります。

よくあるご質問

大腸ポリープの切除後、どれくらい安静にしていればいいですか?

通常、デスクワークや軽い家事、散歩程度であれば翌日から再開できます。
身体を使う仕事、腹圧がかかるような行為、旅行などは1週間ほど控えていただく必要があります。
仕事の内容・お身体の状態によってできること・できないことは違ってきますので、上記は目安とし、個別に指導をいたします。お仕事を休むことが難しい場合など、日程を調整してできる限り影響の少ないようにいたします。まずは一度、ご相談ください。

大腸ポリープの切除後、食事で気をつけることはありますか?

まず当日の切除後は、うどん、お粥などの消化の良いもので済ませてください。
医師からの指示で絶食となる場合があります。
その後も刺激物、アルコール、脂っこいもの、食物繊維の多いものはお控えいただき、1週間ほどをかけて徐々に通常の食事に戻していきます。
食事を含めた切除後の制限についても、個別に指導いたしますのでご安心ください。