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胃炎
(急性胃炎・慢性胃炎)

急性胃炎

急性胃炎とは?
仕事は休むべき?

急性胃炎とは?仕事は休むべき?急性胃炎とは、暴飲暴食、ストレス、薬の副作用などを原因として胃の粘膜に発症する急性炎症です。
それまで何ともなかったのに、急な胃やみぞおちの痛み、吐き気などの症状が現れた場合には、急性胃炎を疑います。
お仕事については、症状が軽く我慢して出勤できそうであっても、お休みをもらい、医療機関を受診されることをおすすめします。感染症が原因となっていることがあるため、その場合はまわりの人にうつしてしまう可能性があります。出勤後に悪化するおそれもあるため、やはりお仕事はお休みするのが良いでしょう。

急性胃炎の主な症状

急性胃炎の主な症状
  • 胃やみぞおちの痛み
  • 吐き気、嘔吐
  • 胃のむかつき
  • 食欲不振
  • 発熱
  • 下血

上記のような症状が急激に現れるのが急性胃炎の特徴です。吐血や下血が見られる場合は、かなり悪化しているものと思われます。

急性胃炎の原因

食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎ、刺激物の摂り過ぎ、ストレスなどが主な原因となります。
ピロリ菌感染、消炎鎮痛剤や抗生剤の副作用、感染症、肝硬変・腎不全などが原因になることもあります。患者様ご自身で思い当たる原因がある場合には、医師にお伝えください。

急性胃炎の検査・診断

当日や前日に食べた物、症状、服用中の薬、既往歴・家族歴、思い当たる原因などについてお伺いします。一緒に食事をしたご家族にも症状が出ている場合には、その旨もお伝えください。
その上で、必要に応じて胃カメラ検査を行えば、診断できます。当院では、鎮静剤を用いた苦痛・恐怖心の少ない胃カメラ検査を行っています。専門医による精度の高い検査を行いますので、どうぞご安心ください。
またピロリ菌感染が疑われる場合には、胃カメラ検査の際にピロリ菌検査を行います。

急性胃炎の治療

軽症であれば、胃酸の分泌を抑える薬、胃の粘膜を保護する薬などを処方し、ご自宅で安静にしていただければ数日のうちに軽快します。ご自宅ではまず1~2食ほど抜き、胃を休めてあげることが大切です。ただし、水分は小まめに摂取するようにしてください。その後、様子を見ながら、消化の良い食事から再開します。1週間ほどは、食事に気をつけます。
程度が重い場合、水分の摂取さえ難しい場合には、入院治療が必要になることがあります。なお胃カメラ検査の際に出血が認められた場合には、その場で止血処置も行います。
その他、ピロリ菌が原因であった場合にはピロリ菌治療、薬の副作用であった場合は内服の中止や種類の変更といったように、原因に応じた治療・対応が必要です。

急性胃炎になったときの食事

急性胃炎になったときの食事まず1~2食を抜き、胃を休めることが大切です。体力をつけるために、とたくさん食べるのは、急性胃炎の場合は逆効果です。
その後、うどん、具なしのスープ、お粥など、消化の良いものから食事を再開します。そして1週間ほどをかけて、もとの食事へと戻していきます。この1週間のあいだは、食べ過ぎはもちろん、刺激物・脂っこいもの・消化の良くないもの・お酒を控えてください。
繰り返しとなりますが、絶食をしている期間を含め、水分は小まめに摂ってください。経口補水液、スポーツドリンクがおすすめです。特に発熱や嘔吐などがある場合、脱水症状が心配されます。

慢性胃炎(萎縮性胃炎)

慢性胃炎(萎縮性胃炎)とは

慢性胃炎(萎縮性胃炎)とは慢性胃炎とは、その名の通り慢性化した胃の炎症のことを指します。さまざまな原因が挙げられますが、多くはピロリ菌の持続感染によるものと言われています。
そして慢性胃炎のうち、胃粘膜が萎縮してしまった状態を萎縮性胃炎と言います。長く放置し、最終的に胃がんを引き起こしてしまうこともあるため、早期発見・早期治療が重要になります。

慢性胃炎の主な症状

慢性胃炎は、急性胃炎と一部共通する症状を持ちますが、程度は比較的軽くなります。気づかずに過ごしていたり、ごまかしながら生活をしている方もいます。

慢性胃炎の主な症状
  • 胃の痛み
  • 胃のむかつき
  • 吐き気
  • 胸やけ、胃もたれ
  • 食欲不振
  • 腹部の張り

慢性胃炎の原因

慢性胃炎の約8割は、ピロリ菌の持続感染が原因と言われています。ピロリ菌は子どもの頃に感染し、その後は除菌治療を行わない限り、胃の粘膜で生き続けます。
その他の原因としては、非ステロイド系消炎鎮痛剤の長期服用、お酒の飲み過ぎ、ストレス、細菌・ウイルス感染、クローン病などが挙げられます。

慢性胃炎が進行すると
胃がん発症する!?

慢性胃炎を放置していると、まず胃粘膜が萎縮する萎縮性胃炎へと移行します。さらに放置していると、胃粘膜が腸粘膜のように薄くなり、一部は胃がんへと進行します。
慢性胃炎の多くはピロリ菌感染を原因としているわけですから、ピロリ菌の検査、そして必要に応じて除菌治療を行うことが、胃がんのリスクを下げることへとつながります。

慢性胃炎の検査・診断

症状、食習慣、服用中の薬、既往歴・家族歴などをお伺いした上で、胃カメラ検査を行い診断します。過去にピロリ菌検査を受けたことのある方は、その結果や治療の有無もお知らせください。
当院では、鎮静剤を用いた苦痛・恐怖心の少ない胃カメラ検査を行っています。専門医による精度の高い検査を行いますので、どうぞご安心ください。なお、ピロリ菌感染が疑われる場合には、胃カメラ検査の際にピロリ菌検査も行います。

胃カメラ検査(胃内視鏡検査)の
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慢性胃炎の治療

慢性胃炎の治療では、ピロリ菌の除菌治療がとても重要な意味を持ちます。ピロリ菌検査で陽性だった場合には、慢性胃炎の再発防止、胃がんの予防のためにも、必ずピロリ菌の除菌治療を受けてください。

生活習慣の見直し

お酒の飲み過ぎ、刺激物・脂っこいものの摂り過ぎといった、偏った食習慣があればそれを改善します。症状が治まってからも、改善した食習慣をできる限り維持することが、再発防止に役立ちます。
また非ステロイド系消炎鎮痛剤が原因となっている場合には、内服の中止や薬の種類の変更も必要です。

ピロリ菌除菌

ピロリ菌検査で陽性であった場合には、ピロリ菌の除菌治療を行います。3種類のお薬を毎日、連続して7日間内服する治療です。4~8週間後に再度ピロリ菌検査を行い、陰性であれば除菌成功です。
除菌失敗となった場合には薬の種類を変更して二次除菌を行いますが、ここまででほぼすべての方が除菌に成功します。

ピロリ菌除菌について
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慢性胃炎になったときの食事

お酒の飲み過ぎ、刺激物・脂っこいものの摂り過ぎなどを避けた胃に優しい食事に変更すれば、基本的に急性胃炎の時のような絶食は不要です。
ただし、再発防止のためにも、改善した食習慣はできる限り継続しましょう。